イスタンブールふたたび*その2

ほんの少し館内を歩くだけで、その土地、土地の香りに触れられるのも、FSの愉しみのひとつ。


それがイスタンブールなら・・・。
オスマントルコ時代の置物や、重厚なトルコ絨毯。繊細なミニアチュール(細密画)に、アラビア書道。
美しいイズニックタイルに、キュタフヤの陶器に、・・・
それから、それから、
たとえば、こんな風な・・・



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模様の細かさ、色合いの複雑さが圧巻な、エブル(EBRU;マーブリング・墨流し)の作品。


中央アジアからオスマントルコ帝国を経て、ヨーロッパ、さらには極東・日本へも広まっていったエブルの技法。
特殊な溶液の上に絵の具を流して形作り、別の紙に写し取って完成させる作品は、当然ながら、二度と同じ模様を作り出すことが出来ないもの・・・。
(その特性ゆえ、古くは、重要な契約書等の用紙にも使用されたそうです。)
偶然の産物にも思える、複雑な模様。この模様に辿り着くまでの、作者の熱意と努力、そして作品への愛を想像すると・・・。
ただ、ただ、感服。


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そして、長い年月を経て、美しさに深みを増したトルコ刺繍の数々・・・。

溜息・・・。




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そんな風に、ひと時の眼福を味わいながら、
ゆっくりお部屋に到着です。



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今回宿泊した、スーペリア・ルームの客室。


ベージュ~金茶をベースにした室内は、これまで通ってきた館内の空間同様に、明るく上品な印象です。



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毎日交換されるフルーツ。^^
初夏にとっても美味しい♪アンズやさくらんぼなどを。

デスクにはシュレッダーもついていて、使い勝手◎。
枕元には目覚まし代わりになるBOSEのCDラジオが。
(そしてここにも、美しいアンティークのトルコ刺繍の額縁が。折角アップの写真を撮ったのに、消えてしまったデータ・・・。涙・しつこい)


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コンパクトにまとまったバスルーム。

日本人には嬉しい、大きくて深めのバスタブです。^^
アメニティはお馴染みロクシタン。
「特別なコットンを使用しております」という、ふかふかのタオル、バスローブが気持ち良くて・・・。
すぐさまお買い上げ決定@バスローブ。(苦笑)



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さあさあ、折角のイスタンブール。
篭ってばかりいないで、そろそろお散歩に出かけましょう・・・。

爽やかな空気に、逸るココロ。
でも、出かけついでに、ホテルの中も少しだけ散策を・・・。




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朝食は、中庭にあるたったひとつのレストランで。
屋内の席も落ち着いて良いけれど、今の時季はやっぱり、気持ちの良い屋外で。^^



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レストランの隣には、食事の前に、後に、ゆったり寛げるバーと、そして・・・

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鮮やかなイエロー、明るい光が降り注ぐカフェ。


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カフェの片隅、なにやら曰くありげな飾りは・・・。
なんと、「錠前」。


一世紀ほど前、刑務所として建造された建物。それがこのホテルの前身です。
これらの錠前は、当時、実際に使用されていたものだとか・・・。

オリエント・エクスプレスが走りぬけ、華やかに、そして、混沌とした時代の裏側で・・・
東西の犯罪者を収容し、まさに「カオス」の様相を呈していたという、刑務所時代。
かの映画、「ミッド・ナイト・エクスプレス」の撮影にも使用されたことがあるそうです。

そんな時代の面影を、今、このホテルの、どこに見出すことが出来るでしょう?

今となっては、ひっそり掛けられた錠前の数々が、かつての残照をつなぎ止めるのみ・・・。
ああ、なんてノスタルジック。



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館内を一通り歩いてみたら・・・。
さあ、いよいよクライマックスです。
秘密のようなエレベーターで、屋上まで。すると・・・



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旧市街の町並みを見下ろして・・・一気に視界が開け、
向こうに広がる、青い海!

薄靄に包まれた、朝の海、空。
大小さまざまな船が行き交い、乾いた空気に飛ぶカモメたち。
その鳴き声が、海行く船の汽笛と交じり合い・・・。
そして・・・、


ホテルの黄色い建物の向こうに聳える・・・、美しい6本のミナレット。
そう、スルタナメット・ジャミイ(ブルー・モスク)です。



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こみ上げる温かい、深い感動。


ゆっくり振り返ると、そこには、期待通りに佇むアヤソフィアの威容。
なんて美しい・・・。
だけれども、とても現実のものとは思えないような・・・。



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懐かしさに高揚する心、そして、ここに居る自分を実感するために。足取りも軽やかに町を歩き。
そんな日は、思いのほか早くに日が暮れて・・・。




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迎えてくれるホテルは、昼間の表情から一転。
なんとも艶めいた雰囲気です。




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さらり涼しい空気を吸いたくて、また屋上へ。

午後11時。夏の夜長に、レストランはまだまだ大盛況。
見下ろす中庭は、人々の吐息で満たされたような・・・。
まるで、煌く宝石箱。



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そして・・・、
人々の煌きの向こう側、ひときわ輝く、6本のミナレット・・・。



風に吹かれるだけのつもりが、懐かしい風情にひかれて、一杯、二杯、・・・。
長い長い夜は更けて・・・。



ほろ酔い気分で部屋へ帰れば、飴色の照明の室内。
まるで、温かい掌に包まれるような・・・。



ついこの間まで、当たり前のようにそこにあった、なんともいえない心地良さ。
切なさにも似た思いを胸に、イスタンブールの夜は更けるのでした。




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by nazli | 2009-06-23 19:34 | '09イスタンブールふたたび
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