初夏を想う、緑の山の辺。 眩い陽射しに誘われて・・・ 京都駅からバスに揺られて、小一時間。 都の山里、大原へ。 向かった先は、ベニシアさん のお宅? いえいえ、我が家の場合は、こちらから。 三千院 へと参りましょう。 溢れ、滴る緑、みどり、碧。 重厚な石垣に取り囲まれた寺院は、 一歩足を踏み入れ、歩を進めるごとに清々しく、優美。 胸が透くほどに、静寂。 「研精不惓」 「心身ともに磨き、怠けず、精進努力せよ」 何より触れてみたかった、「東洋の宝石箱」。 凛と立ち尽くす杉の木立と、足元を覆うビロードの波。 咲き誇る芍薬の花々。 せせらぐ滝の音・・・。 そして、 この世の極楽に戯れる、なんて愛らしい、わらべ地蔵たち。^^ ここで過ごした数時間が、ほんのひと時。 すっかり命が洗われたような心持ち。 高くなった御日様に、門前のお茶屋さんでお蕎麦を手繰り。 ついでに脳には、もっと栄養補給? 美味しいお茶と、みたらし団子をひとつばかり・・・。 * * * * * * * * 腹ごなしのそぞろ歩きが、緑の参道。 あぁ、なんて良い気持ち。 思わず深呼吸・・・。 フム、フム、と、道すがらに立つ案内板に目を遣りつつ、 宝泉院 へと向かいます。 院内に入り・・・、まず目に留まるのは、不思議な楽器?石盤?? 宝泉院は、勝林院(大原寺)の僧坊だった場所。 本堂の勝林院は、仏教音楽声明発祥の地なのだそう。 ここ宝泉院でも、矢張り、日夜声明の修行がされていたのでしょうね。 この石盤は、声明の大家であった明治の僧正が、音律を調べるために愛用していたものなのだそうです。 並べられているのは、サヌカイトという石。 まるで太古の楽器のような・・・。 眺めていると、なんとなく不思議な気分。 そっと叩けば、なんとも涼やかな音色が響きます。 ゆっくり、お茶をいただきながら・・・ 流れる風に、耳を澄ませ。心漂わせ。 あぁ、ここはまさに、盤桓園。 「 大原や 無住の寺の 五葉の松 」 さあ、お次は何処へ参りましょう? 寂光院も見学したいね・・・ ガイドブックを広げようとした、まさにその時。 そうだ、鞍馬へ行ってみよう! 突然の思いつきに、何はともあれ、タクシーを呼んで! 一路鞍馬を目指します。 * * * * * * * * 大原の山奥から鞍馬の山奥へ。 川辺に絡みつく山藤を愛でながら、数十分の快適ドライブ。 思いの外あっという間に、鞍馬山(鞍馬寺)に到着です。 鞍馬寺の草創は、宝亀元年(770年)。 鑑真の高弟鑑禎(がんてい)さんが庵を結び、毘沙門天を安置したことに始まるそう。 当時は天台宗に属していたそうですが、1949年以降独立し、鞍馬弘教の総本山となっているそうです。 結界をくぐり・・・、自ずとシャンとする背筋。 山門から鞍馬寺までは、一部ケーブルカーを利用して。 下界を眺めると・・・、う~ん、思わず足が竦むような。 ここから先は、徒歩でてくてく・・・。 見渡す景色も無い深山。 緑の息吹と、山間に響くキツツキの調子が無限に広がり・・・。 いつしか流れる汗さえも、心地よく。 本堂までの参道を登ります。 入山時にいただいた栞によると・・・ 「鞍馬山は、毎日を明るく正しく元気よく積極的に生きぬくための活力を、本尊である尊天からいただくための道場である。 本来、いつでもどこにでも存在する尊天の活力が、特にこの鞍馬山には満ち満ちているからである。」 「宗派にも人種にも国境にもこだわることなく、ひとりひとりの真のめざめと、共に生かされている万物の調和を祈るのである。」 鞍馬山は、古来より霊山として栄え、山岳修験場、山伏による密教も盛んだったと言われています。 そして、鞍馬と言えば天狗様。 ここに住むと言われる大天狗は、「僧正坊」と称される、天狗界最高位のものなのだそうです。 時にやさしさを、時に厳しさを、 慈しみを、惧れを、安らぎを、 様々な表情を見せつけながらも、訪れる者を分け隔てなく包み込む大自然。 鞍馬の御山は、いつの時代も畏敬の念をもって崇められ、大切に守られてきたのでしょうね。 暗くなったら、牛若丸に会えるかな・・・ 天狗が飛んできたらビックリしちゃうね。 今日のところは、これまで。 俗人の私たちは、街へ帰って 今夜の糧をいただくことにいたしましょうか。
by nazli
| 2011-06-24 11:41
| '11京都の旅
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