ここはトルコ と思うとき
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事の起こりは、我が家の衛星放送用ケーブルでした。



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現在のアパートに引っ越して、早4年半。
以来我が家では、日本語衛星放送 を受信するために、アパートの屋上に専用のアンテナを設置しています。
そのアンテナから室内のデコーダーまでは、1本のケーブルで繋いでいるわけですが。
このとき、アパートの外壁にケーブルを這わせ、窓の下に空けた小さな穴から室内へと通していたのでした。
これは、我が家が特に指示した方法ではなく。当時工事を依頼した業者が黙々と作業したところをみると、おそらく、ごく一般的なやり方だったのだと思います。
その証拠に、同じアパートに住む数組の外国人家族も、同様に衛星放送用ケーブルを這わせていたのでした。


ところが、ある日。





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アパートのオーナーから、突如、「外壁のケーブルをすぐに撤去しろ!(外から見えないように工事し直せ!)」とのお達し発令!
あまりに唐突な知らせに、当該住民(含む我が家)は、「何をいまさら?」と思ったものです。
だって、アンテナ設置時に指示されるのならともかく、4年以上経った今になって言ってくるなんて。
気まぐれにアレコレ口を出すことが多いこのオーナー、今回も何かの思いつきか?勘繰りたくなるところでしたが。
どうも理由は、ここ数年のバブルに伴い、周辺の家賃相場も軒並み2~3倍に跳ね上がっていることにあるようで・・・。
つまり、海に面した立地が売りのこのアパート。海沿いの遊歩道から眺めた時に、垂れ下がるケーブルがいかにもみっともなく見えたのか?(実際はそんなに目立つ存在ではありませんでした。念のため。)
「資産価値向上のため、絶対にケーブルは見えないようにしなくてはいけない!」なんて思ってしまったようなのです。
その工事費用は、もちろん住民もち。
「オーナーの思いつき」で、いきなり、「オーナーの資産価値向上」のために貢献しなくちゃいけないなんて!
我が家としては、いかにも不本意なところでしたが。でも。
どんなに唐突に思えても、面倒に思えても、理不尽に思えても。オーナーの意思は(ほぼ)絶対なトルコ。
・・・仕方ない。
ケーブル工事程度のことなら、そう手間取らずに済むでしょう。
オーナーの指定業者を斡旋され、工事の日程を指定され。
当日はどこへ出かけるわけにいかず、業者が来るのを待ったのでした。


そうして、待つことしばし。
しばし。
しばし。
・・・。

・・・いつまで待っても来ない業者・・・。

約束の時間から半日経過。
このくらいならまだ、トルコ的には十分ありえる時間内、とはいえ。
業を煮やした日本人(私)は、すべてをハンドルしている(ハズの)アパート管理人に連絡をしてみると。
悪びれもせず、アッサリ一言。

「工事の日程は変更になった。」

・・・。

「ここはトルコだから。」
何度自分に言い聞かせてみても・・・。
そもそも、日程が変更になったのなら、早々に連絡してくるべきでしょう?
フツフツとわき上がる怒りに、最後はひたすら諦めモードで自分を落ち着かせたのでした。

そんな調子で、次に指定された日にも、その次に指定された日にも!同じことの繰り返し。
何故だか突然、テレビの映り具合が悪くなったりもして。(砂の嵐吹きまくり)
温厚(?)な私も、さすがに堪忍袋の緒が切れつつ・・・。
果てしない疲労感を覚えながらも、信頼できる知人に業者探しを頼み。さっさと工事を終わらせてしまうことにしたのでした。


* * * * * * * *

さて、何度目かの正直。工事の当日です。
今日は知人の紹介だし、そうハズレることは無いと思うけど・・・。
約束の時間は12時。で、時計の針が12時5分を過ぎたころ。
未だ姿を見せない業者に一抹の不安を覚え、知人に電話で確認をした私は やっぱり日本人。
すると。
「今日は少し遅れて、2時半にはそちらへ伺えるはず。」との答え。
そうですか。2時半に来るですか。
そう決まった時点で、どうして連絡して来ない?という気持ちは、この際ぐっと飲み込んで。
ゆっくり読書をしつつ、時間を待ったのでした。

そして、ようやく約束の2時半。

今度こそ!約束通りにやって来た職人さん!
思わず拍手をしたくなる心境。大きな作業箱を抱えた姿が、なんと頼もしく見えたことか。
さらに驚いたことに、この人、流暢な英語を話すではありませんか!
教育程度(=親の経済力)が、その後の人生をストレートに決定付けることが多いトルコ。
失礼を承知で言わせていただくと、一介の電気工(しかも年配者)が外国語を話すなんて、ほんと驚きの一言なのです。
さらに驚かされたのが、彼の丁寧な仕事ぶり。
ケーブルを外から見えないように配線し直す、という工事はサクサク終了。
室内に長く余ったケーブルの処理も、「きっちりと」巻き上げ、普段目に付き難い場所へ「きちんと」設置。
またしても、失礼を承知で言わせていただけるなら。
ちょっとした配管工事をするのに 壁にいきなり大穴を開けたり(その後はパテで適当に埋めるだけ)、開閉しづらいドアの修理に いきなりドアの上下をノコギリで切ってみたり(ドアの上下には大きな隙間が・・・)。
そういった大胆な修理方法がフツウに行われるトルコで、こんな、先を見越した丁寧な作業。トルコ人らしからぬ緻密な仕事ぶりに、ただただ感心させられたのでした。
そこでふと、この人の丁寧さは、単に性格上のことではないな?思いついて聞いてみると。
現在はイスタンブールの片田舎(中心地から車で1時間程度の街)に住んでいるものの、つい先日まで、ドイツで25年間電気工として働いていたそうでした。
なるほどね。
流暢な英語(もちろんドイツ語も)に、精密な仕事ぶり。これらは、かの地で仕込まれたスタンダードだったのですか。


* * * * * * * *

何はともあれ、懸案のケーブル工事も無事終了。
お次は、テレビの映り具合を直してもらわなくちゃ・・・。
あまりにも突然の不調に、もしや、またしても アンテナに何かが・・・?
心配していたものの、こちらは、テレビとデコーダーを繋ぐケーブルを取替えただけであっさり解決。
想定外の簡単な理由。しかも、心なしか、映像も以前よりずっとクリアになったような気がするし・・・。
目からウロコというよりは、いささか拍子抜けした私に、職人の一言。

「随分古いコードだったね。」

え?

「これはもう使えないけど。新しいコードに変えたから、これからはずっとノープロブレンだよ。」
ニッコリ。

・・・って、えっ?!
ほんの4年チョット使用しただけだったのに。テレビが映らなくなってしまうほど劣化していたコード。
もしやこれも、当時工事を依頼した業者が、わざと中古品をつけて行ったということなの~~~?!!!!

邪推してもキリがない。憶測で嫌な気持ちになるなんて、いかにも愚かなこと。

わかっちゃいるけど。
でもね~。
トルコ生活が長くなるにつれ、気が緩みがちになっている我が家。
そんな我が家へ、今日もまた ビックリ水を与えてくれたトルコだったのでした。



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☆・・・で、写真の、グッタリやぶ睨みトルコゾウ。

「ホント、ヤッテラレナイヨネ~」

よね~。 ーーメ)
アナタもそう思ってくれる?(苦笑)
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by nazli | 2007-03-10 03:10 | トルコの日常
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