イスタンブール歴史散歩 * 魅惑のトルコタイル

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街角のスタンドに並ぶ、新鮮山盛りフルーツ♪
これをその場でギュウギュウ絞って、生絞りジュースにしてくれます。


街歩きをしていて喉が渇いたら、ふらり立ち寄ってみて。
この日の選択は、やっぱりザクロジュース♪
目にも鮮やかなガーネット色、甘酸っぱさがとってもフレッシュ。
いかにも美容に良さそうな感じ?^^


* * * * * * * *



多くの歴史的建造物で埋め尽くされ、街そのものが世界遺産となった、イスタンブール旧市街。

天突くモスクの尖塔、煌くモザイク画で埋め尽くされたドーム、
窪んだ石畳の雑踏に、木枠の出窓が張り出す古びた家々。
行き交うスカーフ姿の女性達と、ひっそり息を潜める教会堂。 、、、

何気なく歩いてみるだけでも、時空を越えて心が旅する
多くの旅人達を魅了して止まない、幻想と混沌が入り混じった街。
そんな街の中でも、(個人的に)特に好きな場所がここです。



☆ リュステム・パシャ・ジャミイ ☆



人々の往来が途切れる間もない、旧市街の一角。
金角湾を望む雑踏の真っ只中に、まるで秘密のように佇むモスクは、
1561年、偉大なるオスマントルコのスルタン・スイレイマン1世の宰相であり、娘婿でもあった リュステム・パシャ の命により建設されたものです。
設計を手がけたミマール・スィナンは、オスマントルコを代表し、今なおトルコの人々の尊敬を集める 大建築家。
そんな華やかなプロフィールに彩られたモスクは、小さいながらも美しいイズニックタイルで覆い尽くされて・・・。
神聖が醸し出す静寂に満たされた、類い稀なる美しさをもっているのです。



小さな商店が、ほんの少しの隙間もなく肩を寄せ合う裏通り。
不慣れなうちは、そんな街並みの中からモスクの入り口を探し出すだけでも至難の業でしょう。

注意深く探していないと、うっかり見落としてしまいそうな・・・。
立ち並ぶ商店の切れ目に、ぽっかり口を開くエントランス。




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実は、このモスクは2階建て構造になっているのです。
1階部分は前述の商店や倉庫などとして利用されており、モスクは、狭い階段の通路を上りきった2階に位置しています。
つまり、モスク階下にある店舗からは、永久的に賃料が入るという仕組み。イスラムならではのワクフ制度がとられているのです。




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つい先程まで、喧騒の中に身を置いていたことが嘘のような・・・。
ほんの十数メートルの下界とは、まったくかけ離れた世界。



そんなモスクの外壁を覆い尽くすのは、来訪者たちを異次元の入り口へと誘う
コバルトブルーのタイル・・・。


生命の木をモチーフとした、イズニック・タイルの巨大なタイル画。
チューリップ、カーネーション、バラ、ザクロ、ヒヤシンス、、、
楽園に咲き誇る様々な草花を、緻密な筆致で描き上げた
これぞトルコのタイル画の真骨頂です。



あぁ、なんて美しいのでしょう・・・。


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じっと見入っていると、
そんなイズニックタイルの中に、少々趣の異なるタイルがはめ込まれているのがわかります。
(左写真のタイル中、中央部分の一枚)

これは一体・・・?


実はこれ、モスク建設当時に「わざと」はめ込まれた、オランダ製のタイルなのだそう。
どうしてわざわざ、そんな事をしたのか・・・??
一説によると、イズニックタイルの繊細な美しさ、卓越した技法を際立たせるために、同年代に作製されたタイルを並べて飾ったのだとか。
後世の私たちからすれば、そんな回りくどいことをしなくても・・・とも思うところでしょうか・・・。(苦笑)




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さぁ、いよいよモスク内部へ足を踏み入れてみましょう。







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ほの暗いモスク内部は、外観から察する通りにこじんまりとした印象。
でも。



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壁といい、柱といい、・・・
モスク内部のすべてを覆い尽くす、蒼く渦巻くタイルの波。
あっという間に心捉えられ、無限の世界へと吸い込まれてゆくようです。



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見る者の感性に訴える、真っ赤なチューリップの反復模様。
トルコの原産であり、オスマントルコ芸術の代表的なモチーフであるチューリップ。
リュステム・パシャ・ジャミイには、様々なタイプのチューリップモチーフがあることでも有名です。
そして、ここで使用されている深い赤色は、「珊瑚赤」、「トマト赤」と呼ばれ、
始めて世に姿を現した16世紀中の、ほんの20年程度の間しか使用がみられない、非常に貴重な色なのです。

その色合いは、あくまでも深く、厚みがあり、温かく・・・。

今となっては、その製造方法すらわからないという。オスマントルコ絶頂期の、「赤」。
こんなに素晴らしい色が、なぜ後世に受け継がれなかったのか?
あまりにも色の秘密を守ろうとしたために、技術の継承がなされなかったのか?
単なる偶然の産物だったのか?
はっきりした理由は、今なお全くわからないそうですが、でも。

いずれにしろ、今の世の私たちは、トルコのタイルの美しさ、独特の世界観に、
ただ、ただ、魅了されるのみなのでした。 ・・・



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このモチーフは、以前通っていた絵付け教室で 描いたことがある もの。

溜息・・・。

ん~、しばらくお休みしているけど。
また、タイル画も始めてみようかな・・・。



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美しく気品に溢れ、深い精神性をも感じさせるイズニックタイルのモスク。
それは、イズニックタイルそのものの美しさもさることながら、
いつの時代もここを訪れ、心からの祈りを捧げる
人々の信仰心の結晶だからなのでしょうか。


ふらり立ち寄る異教徒の私たちも、すっかり心洗われて。
晴れやかに満たされた心持で、日常の中へと戻るのでした。
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by nazli | 2008-02-05 21:40 | トルコの日常
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