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秋が来る前に

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9月に入り、爽やかな風が吹き始めたイスタンブールです。


日向の太陽はまだまだ強く、刺すような日差しがジリジリ暑いものの。ちょっと日陰に身を寄せると、一気にすぅっと涼しくなって・・・。
少しばかり早い、秋の気配が感じられる今日このごろ。


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そんな、足早に過ぎていこうとする夏のしっぽをつかまえるために・・・。
この週末は、大好きなカフェで過ごすことにしました。







向かった先は、アジアサイドの小さな港町・カンルジャ。
その町で、1870年の昔から愛し続けられているという老舗カフェ、Ismailaga(イスマイルアー)です。


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このカフェの素晴らしさは、ボスポラス海峡沿いのぎりぎりに、張り出すように建てられているということ。
ゆえに、あめ色の店内は、まるでボスポラスに浮かんでいるかのような、一体化しているかのような。
ただ、ただ、ひたすら、どこまでも広がるボアズマンザラ(ボスポラスの風景)を、心行くまで楽しめるのです。


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テーブルに着いたら、穏やかな一日の始まりです。

チャイはきっと、DEMLIK(ポット)でオーダーして。
一番小さな1~2人用を頼んでも、中身はたっぷり 10杯分は入ってます。

銀色のトレイでうやうやしく運ばれてくる、チャイダンルック(チャイ用の2段式ポット)。
上の段には、蒸した茶葉で濃~く淹れた紅茶。下の段には、白湯。
2つを合わせて濃さを調整、お好みチャイの出来上がり。
薄いステンレスの安っぽさが、なんだか却って懐かしげなスプーン、ソーサー、ティーストレーナー。
グラスをかき混ぜるチリンチリンという音が、特別な気分を盛り上げます。


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そして、忘れちゃいけない。
折角カンルジャへやって来たのですから、美味しいヨーグルトをいただきましょう♪

ふるふると柔らかくて、とろりまろやかなカンルジャのヨーグルト。
トルコで一般的に売られているヨーグルトとは、一味も二味も違う味わいです。
雪のような粉砂糖をたっぷりかけて・・・。
思わず笑みがこぼれる、幸せに優しい味わいなのです。


そんなカフェは、観光客や在住の外国人はもちろん、イスタンブルっ子たちにも大人気。
週末ともなると、窓際のテーブルは、デートと思しきカップルたちで あっという間に埋め尽くされてしまいます。

限りなく青い海、青い空。対岸の緑の丘には、オレンジ色の屋根が広がって。
どこからやって来たのか、行過ぎる外国の船。
白い翼を翻し、カモメたちが飛び交って・・・。

ゆるやかに、ゆるやかに過ぎて行く、2人だけの時間なのでした。^^

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**Cafe Ismailaga
  Simavi Meydani
  Kanlica, Istanbul (0216-413-4469)



* * * * * * * *


ゆっくりお茶を過ごしたら、お土産はもちろん 美味しいヨーグルト♪
一番大きいサイズのもの(確か1.5キロ入り)で、4.5YTL(約400円)ナリ。
我が家はこれを、2つばかりお買い上げ。
毎日の朝食がわりにたっぷり、フルーツと一緒にいただきます。

う~ん、しかし。
3キロのヨーグルトを、1週間たらずで消費(しかも2人で)出来るようになっているなんて。
これって、すっかりトルコ化現象?!!


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それはさておき。


週末のカンルジャには、ガラス細工や手編みのニット、ビーズのアクセサリーやナザールボンジュ、、、などなど。こまごまとした露店が立ち並び、まるで縁日の様相です。

温かな湯気が立ち上るのは、とうもろこし売りのおばさん。
大きなふたを開けると、茹でたてとうもろこしが、今まさに食べ時!
で、思わず1本、お買い上げ。(^^ゞ


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こちらのとうもろこしは、日本のもののように品種改良されていないためか、スティキーで全然甘くなくて。
とうもろこし本来の野性味ある風味、と言えばそうかもしれませんが。ジューシィで甘いとうもろこしに慣れ親しんでいる私にとっては、どうにも物足りなかったりして・・・。
ところが、子供時代を田舎で過ごした夫にとっては、遠い昔の夏休みを思い起こさせるシロモノらしく。
「とうもろこしって、本当はこんなものなんだよ。」 なんて。
嬉しそうに、懐かしげに、しばし無言でかじりつくひととき。(笑)



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どこまでも青く澄み渡る、深い深いボスポラス。
そして。
海峡を行き交うクルーザーに混じり、小さな漁船が一艘。
思いの他速いボスポラスの波にもまれながらも、逞しい腕で櫂を操り・・・。
一体何を獲っているのかな?
目を凝らして見てみると・・・。

あぁ、ミディエ(ムール貝)を獲っているのね~。


沿岸近くの水底を、ガリガリガリガリ・・・。
引き上げた網には、大小さまざまなミディエがたくさん!

ボートの上には、たっぷり剥き身が入ったボウルもあって。
そのうち、岸から誰かが声をかけ・・・。 商談成立、かな?
あの貝もきっと、どこかのレストランのメニューに並ぶのでしょうね。

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夾竹桃の木陰では、潮風に包まれてお昼寝中のわんこが一匹。
こんな風景を眺めながら、毎日のーんびり・・・。
なんて幸せモノでしょうねぇ。^^


スイカの甘みが薄くなり、代わりにブドウの甘みがぐっと濃くなり。
ふと覘いた果物屋さんの店先には、子供の拳ほどもありそうな 大きなイチジクがずらり並ぶ今日このごろ。
もうしばらくしたら、真っ赤なザクロも登場してくれるかな。


ついこの間まで、ドライヤーのような熱風にくらくらしていたっけナァ。
なんて、遠い昔のことのように思い出したりして・・・。

さらさらと髪をなでる秋の風に、心地よく身を任せた午後でした。
by nazli | 2007-09-09 23:48 | トルコの日常
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