凪いだ日の朝は、水の存在すら感じさせない ひらひらと舞う鮮やかな色彩までも、弛むことなく見て取れるほど。 巨大なアクアリウムと化すラグーンです。 臆病者の子トラも、珊瑚の森を滑るように すぃー、すぃー、・・・ ウォーターバンガローのデッキから。 * * * * * * * * おだやかなラグーンの先では、 魚たちの饗宴がお待ちかねです。 きらきらと、花吹雪のように舞う 小さな魚たち。 太陽の光をいっぱいに受け、それに呼応するように身体の色を変化させて。 賑やかに、鮮やかに、来訪者を迎え入れてくれます。 ラグーンから続く浅瀬を彩るのは、生き生きとした珊瑚礁。 まるでレース細工のような繊細さ。 なんて自由な、ありとあらゆる美しい形・・・。 そんな光あふれる浅瀬から、少し横に目を移せば。 天上から降り注ぐ光の連柱に、魚たちがまとわりつく どこまでも、はるか深くに沈み込む ドロップオフ。 海中を埋め尽くす煌きに、息をつく間もないほど・・・。 高鳴る鼓動に、辺りを見回すと。 小魚たちが、突如、嵐のように走り出して・・・。 一体何が起こったの? 賑やかな静寂を打ち破ったのは、大きなカスミアジの群れ! 紺碧の深みから迫り来る、美しいプレデター。 本能に統制された小魚たちは、狂濤のごとく舞い上がり、うねり、砕け散って、・・・ 渦巻く捕食者の牙から逃れるために、激流の銀河へとその身を変えてゆくのでした。 * * * * * * * * そんな、海中のヒエラルキーなど 全く関係なさそうな顔をして。 お洒落なベラにお顔の手入れをしてもらっているのは、コバルトブルーのブダイ。 呑気者のカメも、我関せず。 今日も我が道を行きます。(笑) 珊瑚の奥に、何かいる? じっと目を凝らせば・・・。 現れたのは、子トラの兄貴分?やっぱり臆病者の ネムリブカ。 白いチャームが可愛い尾びれを振りながら、珊瑚の下を ぐるぐる、ぐるぐる。 クマノミアパートはいつも大賑わい。^^ そうしてゆったりと、満ち足りた心持で過ぎ行く海中散歩。 そんな私たちの目の前に、 ゆっくりと、ゆっくりと、近づいてくる・・・。 緩やかにうねる波のように、 大きな、大きな、・・・ 黒い塊・・・? あれは・・・ あれは、もしかして・・・ マンタ!! 大きな口を開けて、大海原を ひらり、ひらり、、、 あふれる海の栄養を吸いこみながら飛行する。 まるで、その美しさまでも 全身に取り込んでいるような・・・。 季節外れのマンタは、出会う者に驚きと歓びを残して。 優美な身体を翻し、果てしないブルーの中へと帰って行ったのでした。 龍宮城へ行った浦島太郎は、 地上に戻ると あっという間に年老いてしまったと言うけれど・・・。 今の世の私たちは、海から上がった青い空にふと、溜息を漏らし。 大いなるその慈しみに、心からの感謝を捧げるのでした。
by nazli
| 2007-11-07 21:10
| '07楽園の旅・モルディブ
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